右ひざの裏がかゆい

経済系3年次編入のこと

九州大学経済学部経済経営学科3年次編入受験記

 

 なんだかんだあって九大経済経営の編入に受かりました。

 僕が九大経済編入を受けようとした時、まず一番困ったのが圧倒的情報のなさだったので、今回は後学のためにも受験記を残しておこうということで他の編入合格者っぽく偉そうに語ってみます。合格して人生変えただとか受験は人生最後の平等な試験だとかそういう啓蒙的なことは言わないので許してください。なんでもしますから。

 途中にAmazonのリンクも貼ってますけどこれは僕の言っている本と読み手の皆さんが考える本が違って怒られたら嫌なので貼ってるやつです、小遣い稼ぎしようって魂胆ではないしこんなニッチな記事で金が稼げるなんざあ考えてません。予防線はこれくらいにしてそろそろ中身に入っていきましょう。

 

 自己紹介がてら

 僕の受験歴等を書いておきます。現役時に九大経済不合格。後期入試で地元の国立大経済系学科に進学して仮面浪人で九大経済と東北大経済を受験するも不合格。TOEICは2017年7月受験スコアで795です。GPAは受験時で2.9。併願は東北大一校だけ。バイトは8月いっぱいまで主に高校生相手の英語の塾講師をやっていました。経済系編入予備校は田舎にはありません。

 下調べ

 受験を決めてからとりあえず受験予定校の募集要項やら合格者のブログやらを調べるわけですが、九大経済経営に関しては過去問は現地閲覧だわ体験記は全然出てこないわで困りました。合格者が少ないので仕方ないといえば仕方ないのですが。とりあえず過去問さえあればどうにかなるだろうということで学科の友達(ちなみに彼は広島大の経営に合格しました)が九大に過去問を見に行って印刷してくれたものを分けてもらいました。幸運。数学も一応見たかったのでさらに福岡で九大のサークルに参加している高校の同級生に頼んで送ってもらいました。僥倖。福岡にツテのない人はtwitterで受験者探して分けてもらうなりされてみてください。中ゼミとかでも取り寄せられるんじゃないんですかね?とにかく僕は幸運にも九大に行かずして過去問を7年分ほど手に入れました。過去問は一応僕にコンタクトを取ってくれれば可能な範囲で対応します(twitter→@goyoukenhanani)。

 一応、経済工学科の受験者ブログはそれなりにあるので利用できそうな情報をそこで手に入れて過去問を参照しながら取り入れたりもしましたがそれほど役には立ちませんでした......。

 

合格状況と出題内容

 合格状況

 経済学部の募集要項では経済経営学科(以下、経経)と経済工学科(以下、経工)各10名の募集とのことですがH28入試では経経8名経工1名、H29入試では経経4名、経工0名の合格でした(この調子でいくとH30は経経2名経工0名または経経0名経工0名なのでは)。経工は推薦入試で合格者を確保するにしてもなんで経経がこんな状況なの......。

小論文 

 経経の受験科目は小論文1(必須)と小論文2(選択)か数学(選択)です。そのあとに面接。九大は一般入試後期日程でも小論文という名目で英語長文を出すのですが編入も同じで内容は経済または経営に関するトピックを扱った英文です。小論1も2も長文は一つ、問題は3つだけです。長文の長さもそれほどありません。どちらもざっと1000語くらいです。ただこれ、回答字数が多い。一問あたりの回答字数は180字だったり240字だったり。

 しかし回答時間は90分あります。語彙レベルは難関大一般入試レベルですし難関大を受験された経験のある方なら正直余裕でしょう。もっと言えば九大一般入試英語とよく似ています(記述量や出題の仕方が)。僕はひとまず解き終えるのに40分、推敲に15分くらいで解けました。参考書はやっておきたい英語長文1000か700をおすすめします。回答の難易度は似たところがあるので。英語が苦手な人はポレポレなりで読解の練習をしておけばいいでしょう。単語帳はシス単なりターゲットなり。要は一般受験英語とほぼ同じような対策で大丈夫です。経済の知識は訳出の段階で必要になるくらいなのでたまに経済系の英語記事を読んでおけば楽かも。でも基本的な経済の知識があれば前後の文脈で大体何のことかわかります。阪大のすべり止めに最適。

 

ポレポレ英文読解プロセス50―代々木ゼミ方式

ポレポレ英文読解プロセス50―代々木ゼミ方式

 

 

 

やっておきたい英語長文700 (河合塾SERIES)

やっておきたい英語長文700 (河合塾SERIES)

 

 

 

やっておきたい英語長文1000 (河合塾シリーズ)

やっておきたい英語長文1000 (河合塾シリーズ)

 

 

 数学

 数学は難しいです(文系からすれば)。高専生には簡単と感じられる場合もあるらしいですが。少なくとも僕の知っている経済編入の数学の中では一番難しいです。神大よりずっと。内容は線形代数微積分。4大や短大から編入する方は小論文2の選択が無難です。僕は歯が立たなかったので勉強法は経工の人のブログやらを見てください。

 

面接

 面接についてはあとで詳しく書きますがはっきり言って長くなる予定なので概要だけ簡単に書いておきます。昼休み終了後、指定の控室に集合して順番を待ちます。面接時間は10分程度。面接形態は3対1です。経工の推薦入試では経済学用語の口頭試問があるそうですが少なくとも僕にはありませんでした。ただ経経でも聞かれるという話も聞くので(定かではないことを書いて本当に申し訳ないのですが)経工推薦レベルの質問であることを想定すると一応10時間でざっと学べる例のアレでも読んでおけば対処できると思います(広島大経営受かった学科の友達はざっと学べるアレの経営レベルの内容を聞かれたらしいので併願される方はその対策だと思って)。大学の成績も見る、と募集要項に書かれてはいますが同じようなことが書かれている他大の編入試験ではそれほど関係ないのでは、と言われています。

 

大学4年間の経済学が10時間でざっと学べる

大学4年間の経済学が10時間でざっと学べる

 

 

 

大学4年間の経営学が10時間でざっと学べる

大学4年間の経営学が10時間でざっと学べる

 

 

受験を決めてから筆記試験までに僕がしたこと

ここ読まなくてもいいです(ただの自分語りイキリパート)

 ひとまず受験を決めたのは3月の終わりくらい、仮面浪人の後期試験で東北大に落ちてしばらくしてからです。僕の大学は1年の終わりにゼミを決めるのですが今年のゼミ選考は国公立前期試験の合格者発表前日に開催されました。要は一般入試で合格していればゼミが決まった翌日に退学届を提出することになるわけです。経営にさほど興味のなかった僕は経済分野A(これがどの分野かわかるといろいろ特定されてしまうので伏せておきます)のゼミを選択しましたが受験者多数で面接をすることになり、さすがにこの状況でゼミも入試も合格してしまうといろいろ申し訳ないと思い、面接の最後で教授に直接「仮面なので入試に受かっていたら迷惑かけるし面接で落としてほしい」と伝えると、同情の言葉の後に「落ちたらどうするの?」と言われたので「......編入でも受けます......」と返しました。そのあとまた少し励ましの言葉などいただいて面接は落としてもらいました。第2志望でも同じことが起こり、結果第3志望で経営領域のゼミに決定。

 半ば冗談で編入受けると宣言したのですが後期まで落ちて目標を喪失しているときにちゃんと編入の仕組みや問題などを確認する中で「京大阪大名大東北大九大神大全部受けられんの!?しかも英語と専門がメイン!?これ勝てるのでは!?!!?」と思いほぼ勢いで受験を決めました。数学ないしいけるか?くらいの感じで。

 受験校ですが、最初は京大>阪大>東北大>九大の志望だったものの紆余曲折あって東北大>神大>九大に変更、さらにそのあと、志望理由書が上手く書けず予備校勢に勝てる気がしないということでギリギリまで粘って結局東北大>九大になりました。

 最終的に2校しか受験しなくなったとはいえ6月くらいまでは阪大どうにかならないかなあなどと思いつつ過去問(英語)の攻略を目指していました。H29阪大英語は全訳問題ではありませんでしたが長文全訳に取り組みました。今思えばこの経験は九大の勉強にやや役立ったのかもしれません。阪大は専門と面接の方が予備校勢に勝てる気しなくて挫折しました。

 東北大が第一志望になったのでそこから東北大のためにTOEICの勉強とミクロマクロをメインで回すことにしました。東北大の専門2科目めは数学にする予定ですがそれほど難易度は高くないので優先度は低めに。東北大の勉強については詳しく書きません。

九大の対策のようなもの(ここもイキリ)

 九大の英語の勉強はバイト先の塾で高校生に受験英語を教えていたのでその中で英文解釈を演習しました。生徒に教えることがよいアウトプットになったと思います。あとはパラパラ単語帳を眺めたり週末に九大の過去問や九大院の過去問英語を眺めたりしたくらいですかね。ただ眺めて語彙や文法のレベル、トピックなどを把握するだけで問題は解きませんでした。経済学の勉強で精いっぱいだったので......。実際に解いてみたのは1週間前くらいが初めてだったと思います。感想は「ああこれ経営のトピック出てきたら無理かもわからんな」。ただ回答時間に余裕があることはわかったので安心しました。英文読むのが遅い人は早めに対策するべきかも。九大英語は英語力より日本語力だと思っています。とにかく回答が長いので読みやすい回答を作ることを意識してください。

 面接は心配だったので志望分野を一番知識のあって面接でツッコまれても対応できそうな経済分野Aに絞って九大でその分野をやっている教授(Q教授)を調べた後、自分の大学の先生に相談を受けてもらいました。自分の大学の経済領域Aの先生といえばゼミ選考で自分から落としてもらったあの教授です()。その教授(Z教授)に言われたことは以下の通り。

  • 面接はとりあえず「こいつウチの大学に入れてもどうにか頑張っていけそうだな」というやつを探してるだけだからとにかくやる気見せてこい
  • 面接よりやっぱり筆記が大事だからあんまり面接ばかり気になさんな
  • 志望動機やらなんやらに矛盾があったら終わるぞ
  • 院に進学する気があるか聞かれた時の対応は考えておいたほうがいい

 その上で僕が用意した志望動機がこれ。

  • 編入を志望したのは在籍大学で専攻をなんとなくで決めてしまい、そのことに後悔して3-4月に経済学の様々な分野を広範に調べなおしたところ、領域Aが自身の問題意識と最も近く、さらに深く調べる中で〇〇の研究をしたいと思うようになり、そのことを様々な教授と話したところ、編入してやり直すという道を見つけたから。
  • 九大を志望したのはアジアとのつながりの深い福岡で領域Aを学んでみたいと考えたから。
  • 院については修士までは行きたいと考えているが資金的に厳しれば△△系の会社に就職して働く中でまた考えたいと思っている。

 Z教授も「いいんじゃない?俺は大丈夫だと思うけど」と言ってくれました。細かいところについてはある程度領域Aについての本を読んでいたので後は野となれ山となれという感じでした。

 

 筆記試験受験(イキリ度:★★☆☆☆)

 仮面も含めて2年半くらい受験生やってるのでもう受験に疲れていたので受験に行くというより旅行に行くことにしよう、ということで学科で仲のいい人たちを集めて福岡まで車で旅行に行き、途中で僕が離脱して受験、そのあと合流して旅行再開というプランを作り上げて受験に向かいました。

 もう2回も同じキャンパスで受験してるので下見はなし。前日の夜は焦りとかより「寝坊したら詰みだ......」というプレッシャーが大きくてなかなか寝れなかった。

 当日の朝、集合時間15分前くらいにキャンパス入りしました。

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受験者は経経38、経工3。これは面接室の振り分けと数学選択者の数でわかります。九大は筆記と面接が同日実施なので筆記の段階からスーツを着ている人がほとんどでした。私服は1人、白のポロシャツが1人、あとは全員スーツ。夏だし学内クールビズだし、ということで僕は半袖カッターシャツにスラックス、ノーネクタイの服装。ネクタイしてジャケットまで着てる人が多数派でした。女性が5人くらい、あとは男性。

1科目め

 小論文Ⅰの試験は OECD,OECD Skills Outlook 2017; Skills and Global Value Chains, OECD Publishing, Paris, 2017 からの抜粋でした。懐かしいですね、昔はコロコロコミックOECD Skills Outlook かという時代がみなさんあったと思います。僕は付録のデュエマカードが魅力的な方を選んで買っていました。あと英語で書いてない方。語数は800-900くらい。回答字数は180字、160字、280字。GVC (グローバルバリューチェーン) に関する問題でした。経済に関する内容だったので安心しました。40分くらいで解いて15分くらいで見直しと推敲。完成した答案を目の前に、これは8割は固いなと確信すると同時に残り時間35分どうしよう......と思いました。とりあえず周りを見渡すとペンを走らせ続ける他の受験者と対照的に1人だけ圧倒的余裕を放っている受験者がいました。インド系の顔立ちの男です。英語一本の試験にそれはないやろ......と思いつつもこの試験は日本語力も必要なのでいやまあ妥当か......なんて思ったり。とにかくこの男、ペンを置いて腕を組み、天井を見つめ続けている。

 その余裕たるやすさまじいものがありました。残り時間5分の受験番号氏名等記述の見直しが呼びかけられるまで回答用紙に一瞥もくれない。圧倒的天井っ............!!!!しかしよくよく考えればこの男が回答している姿を僕は一度も見ていない。もしかしてこの男、日本語がダメで諦めて周りを攪乱しようとしている............?どっちだ???そうだとすれば僕はいまんまと奴の掌の上っ............!!!!!!嵌っている............すでに泥中、首まで.................!!!!

 顔がカイジになったところで試験時間は残り15分くらい。このころには8割くらいのい受験者は見直しに入っているようでした。

 1科目めが終わり、一息つこうと思ったところ、後ろの席の男がおもむろに「どうやった?笑」などと言い始める。高校の期末試験じゃねえんだぞ?誰に向かってしゃべっている?こいつ正気か?失敗して頭イカれたんじゃねえか?などと考えているうちに僕の横の席の男や僕の前の席の男が「まじ死んだわ笑」「これ終わった笑」「スマイルプリキュア」などと話し始めて周りを予備校生に囲まれていたことに気づき、また鼻がとがっていました。こいつら組んでやがったのかっ............!!!

 

 

2科目め

 周りの予備校生が独自の経済用語英単語帳使ってて、いいなあなんて思ってたら2科目めが始まりました。まず数学選択者が挙手して数学の問題が配られるのですがこれは5人が挙手しました。面接室の振り分けを見るに経工受験者が3人であることは間違いないと思うので経経受験者の中にも2人は数学選択者がいたことになります。ちなみにインド系は挙手しませんでした。いやお前そこは数学だろインド系(多分)なんだから.......。小論文Ⅱの出題は Douglass C. North, "Institutions, transaction costs and economic growth", Economic Inquiry, Vol.25, No.3, July 1987からの抜粋らしいです。最近インスタで話題の。語数は900から1000語、回答字数は100字、140字、260字。小論Ⅱはやや専門性を求めるので少してこずりました。内容はtransaction costについてなのですが、transaction costと言われて分かりますか?僕はわからなかったのでパッと見「うわあどうしよ......」な状態だったのですが接頭辞やらなんやらを分解したりトピックや前後の内容から推定して「取引コスト」と訳してこれがうまくいきました。僥倖っ.........!なんという僥倖...............!こういうことがあるので経済学の基本的な知識を入れておくのが無難です。特に経済学用語英単語帳など持っていない独学勢にとっては。

 科目選択の時点で心をかき乱されているので序盤から鼻は長くなっています。開始10分後、インド系を一瞥。普通に解いてやがるっ...........!

 内容はやや難しいものの、阪大などと比べれば優しいものです。一通り解くのに45分少しくらい、見直しと推敲で15分くらい。回答字数こそ小論Ⅰより短いものの回答にかかってくる箇所が長いのでまとめるのにやや苦労しましたそれでも完成した回答を見るとこちらも8割は固そうだという感じでした。インド系は40分で回答を終えています。ざわ......ざわ......。ほとんどの人は試験時間ギリギリまで推敲に時間をかけていましたし、試験終了後に周りの人の答案を見ると最後の260字の設問がまっさらな人とかもいました。あれ1問で100点満点の50点あるのでさすがにその人は試験終わった瞬間に頭抱えて伏せてました。逆に周りの予備校生からは「逆転来たかもわからん」「さっきよりマシ」「ここ50年で最も素晴らしい出来栄え」「過去にないほどの出来だった昨年に迫る」「太陽に恵まれ、グラスに注ぐとラズベリーのような香りがあふれる、果実味豊かな味わい」等々の声が聞こえてきたので経済学の背景知識があれば小論Ⅱのほうが解きやすいのかもしれません。

 

昼休み

 キャンパス内には5-6人のグループで固まって昼食をとるグループが5つほど、1人でキャンパス内をふらふらしてるのは7-8人だったように思います。インド系もそう。福岡には編入予備校がありますし旧帝大の中で経済学の試験がない旧帝大は九大だけなので予備校勢が多かったんだと思います。インド系頑張れ。

 

 面接

面接と控室

 昼休みを挟んで午後は面接です。控室に集合。経経の面接は受験番号を面接室4つに均等に振り分けるので早く出願したら早く面接が終わるというわけではありません。経工は面接室1つ。

 面接時間は1人あたり目安10分。僕の面接室は大体その通りの時間で進んで55分待ちだったんですが他の面接室では僕と同じくらいの待ち時間になる人で15分押しや15分巻きもありました。面接時間が測れた人で最速8分、一番遅くても15分でした。

 面接室はとにかく暇です。参考書開いてる人もいればずっとスマホいじってる人もいました。僕は緊張しながらtwitter。面接室担当者は前方の机で暇そうにしてるので多分何しててもいい。

 面接の入り方は困ったのでとりあえず「面接 入り方」でググったら一番上に出てきたリクナビのページに倣って臨むことにして前日にホテルでやや練習しました。面接の形式はすでに書いたように3対1のぬるぬるローション相撲3本勝負、片桐はいりに気に入られた方の勝ちです。

 

面接室入室

 3回ノックして入室して失礼します、自分の席の横まで行くと「お名前と受験番号を教えてください」と言われたので「はい、学籍番g……ォアッ」

 間違えました。前日に福岡まで同行した学科民と飲みでスベる度に「〇〇大学△△学部◻︎◻︎学科2年生、学籍番号〇〇番△△(名前)、スベった責任をとりまして、自害いたします!」と叫んだあと武士と介錯人のタイミングが合わないコントをするという一連の内輪ネタをやりすぎたのが原因です。注意してください。一瞬焦りはしたもののここで介錯人コントを始めたらどうなるのだろうかと思うと自分でも笑ってしまって、つられて面接官も優しく笑ってくれたので一気に緊張がほぐれたので結果オーライ。受験番号と名前を言い直して席に着きました。

 3人いる面接官のうち真ん中の教員が一番偉い感じでした。好々爺っぽいその教員から質問が始まります。以下、A、B、Cはそれぞれ僕から向かって左から順番に面接官の発言です。

 

 面接内容

A:九州大学を志望した動機を1分程度で教えてください

 

僕:はい、私は1年次に自分の専攻を考える際、具体的な将来像や希望進路を固めずにゼミを選択してしまいました。ゼミが決まったあとに自分が本当は何を勉強して何になって何をしたいのかを考え直したときに行き着いた答えは領域Aを学んで△△関連企業に就職して(ここは焦って失敗しました、就職のことは言わないほうがいい)◇◇を豊かにしたいということでした。日本の◇◇は最近(中略)ですが今、大転換期を迎えています。その中で日本ではまだ(中略)なので領域Aの役割が不十分だと感じ、領域Aを専門に研究されている先生が在籍している九州大学を志望しました。また……(注:ここまで読んだ方はよくお分かりだろうが僕は話が長い。この時点で多分3分弱くらいかかっている。)

 

A:ちょっとちょっと待って、ストップ、就職する企業と専門分野は必ずしもイコールじゃないからね?わかってる?

 

僕:それはわかっているつもりですがなんとかかんとか(テンパってここから少し変なこと言ったので省略)(いまでもたまに思い返して死にたくなる)(多分だが「深夜ラジオを聴く俺」を感じたいがために好きでもないDJのオールナイトニッポンを聴いてるタイプの中学生は大成しない みたいな話をした)

 

 

B:あ、いや、だから、それはわかるけど専門分野と就職分野はまた違うですからね?えっと……(隣の面接官Cを見る)何か質問ありますか?

 

C:あ、じゃあ……九州大学で領域Aを教えている先生は誰かご存知ですか?

 

僕:〇〇先生(Q教授のこと)です

 

C:フルネームは?

 

僕:〇〇▼▼先生です

 

Cよく調べてるなあ……今のゼミは第1志望ですか?領域Aのゼミは志望しなかったのですか?

 

僕:あっ……今のゼミは第3志望です、第1と第2志望は領域Aに関係する分野のゼミを志望したのですが、ゼミ選考当時に仮面浪人をしていて、その結果発表がまだだったので競合している中でゼミに合格してから退学するのは申し訳ないと考えて面接時に願い出て辞退しました。

 

C:えっ、仮面浪人してたの……なぜですか?志望大学は?

 

僕:生まれてからずっと同じ土地で育ったので他県で学びたかったというのが大きいです。志望大学は……現役の時も仮面浪人の時も九州大学です。

 

B:えっ、でもなんか大学の成績いいよね?

 

僕:仮面浪人をするときに周りから編入も視野に入れて勉強するように勧められたのと転学してからの認定単位を考えていたので……。

 

B:そもそも編入を志したのは?

 

僕:最初の質問の中で挙げた理由もあるのですが、第1志望ゼミの面接の際に教授と話して、その中で「ここで失敗しても編入してやり直すという手もアリだと思う」と言われたことも大きいです、また受験しようと思う励みになりました。

 

B:その先生の名前は?

 

僕:Z先生です。

 

B:……(メモる)あっ、もう質問ないですか。

 

C:あっ、もう大丈夫です。

 

B:じゃあA先生。

 

A:それじゃあ。領域Aに関する勉強は何かされましたか?

 

僕:はい、本や論文を読んだのはもちろんですが懸賞論文に応募するために研究も若干しました。

 

A:どんな研究ですか?

 

僕:はい、ええっと、▲▲に関する研究で…(その概要を話す)…という研究をしたのですが、昨年の入選論文の中に似たテーマの内容があったので実際にまとめるまでには至りませんでした(笑)

 

A:ああそれは(笑)分野はどちらかというと領域Bに近いですね、わかりました、ありがとうございます。

 

B:あ、今の大学は後期入学?

 

僕:はい。

 

C:今でも九州大学に入学したいですか?

 

僕:はい、今と前とでは志望動機は少し違うところがありますが、九州大学で学びたいという気持ちは同じです。

 

B:ありがとうございました。

 

僕:ありがとうございました。

 

 これで面接は終わり。時間にして12,3分くらい。仮面浪人の話と懸賞論文の話をしたときは比喩ではなく身を乗り出して聞いていただけたのでツカミみたいな意味では良かったと思ってます。ちなみに懸賞論文の話は8割本当。でも早い段階でテーマ被りが発覚したので本当は全然研究といえるレベルには至っていないので2割くらいは嘘かもしれない。まあそれ以外はやや色を付けた事実だったし許してくださいなんでも(略)。感触としては、まあ、ある程度矛盾なくできたのもあるんですけど、最後の質問を聞いたとき、なんとなく受かる気がしました。

 

 

合格発表

 10月25日が九大の発表です。旧帝大の中では9月に結果が出る北大に次いで2番目に早い(ちなみH30年度入試の唯一の北大経済合格者のななしさんのブログ圧迫面接や志望理由書を書く上で参考になるので是非読んでみてください。僕みたいにダラダラ長くないし。)。10時の発表だったんですけど9時57分に起きました。結果がこちら。

 

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募集10名に38人受けて合格者、2名!w

ちなみに勘のいい読者の方はこの話のオチがインド系と僕の2人だけ合格だとお思いでしょうが僕はそんなに素直じゃありません、まさかの!!!インド系!!!!不合格!!!!!!まじでなんやってんあいつ……

 それからこれは後日わかったことなんですが、志望分野のQ教授、真ん中に座ってた面接官Bと同一人物でした。

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受験を通してわかったこと、それから考察

得られた知見

 今回得られた知見は以下の通り。

  • 合否に関係するかはわからないがGPAを見ているのは本当。
  • 経経の面接で経済学用語は必ずしも問われるわけではない。

 ちなみにtwitterで検索かけて得られた知見も一つ。

  • 経経受験者の中には圧迫面接を受けた人もいる。

 

受験に関する考察

 今回得た知見を基に考えられる可能性を挙げてみます。

  1. 面接が始まるまでにざっと採点が終わっていて、面接ではそれを基に面接している?
  2. 面接室によっては圧迫面接が行われる?
  3. 経済系4大出身者の場合は面接で経済用語を問われない?
  4. 話を長くさせてしまえば面接で経済用語を問われない?

 不確定なことを言って申し訳ないとは思いつつも、誰かに検証してもらいたい。考察1に関しては、小論文の回答用紙が2枚、3枚に分けられていることと、圧迫面接を受けた方が英語の手ごたえが無くかったことが引っ掛かります。小論文の回答用紙は明らかに余白が多く紙の無駄です。大問ごとに採点者を振り分けて採点時の負担を軽減するという方法を取らない限り必要なさそうな措置だと思いませんか?事実北大はその日のうちに筆記の採点を終わらせていますし、ざっくり採点するなら英語は長くても一問当たり5分、受験者は43人だから採点にのべ21.5時間、計算上は採点者が10人少しいれば実現可能です。いや、まあでもさすがにむりかなあ............。それなら考察2か、単純に僕が圧迫されなかっただけのほうがありそうですね。

 考察3と4は受験者をいっぱい捕まえればわかりそうなので予備校生の方なんかはちょっと調べてみてください。

 

合格後の顛末(2018/02/27加筆)

 東北大学マルクス経済学と数学で受験して見事にマル経で知らない分野からの出題トラップを食らって不合格。九大に進学することになりました。演習はQ教授で決定。

 

 九大は12月から演習説明会が始まり、1月上旬に演習志望理由書の提出、1月下旬に所属演習が決定、2月20日ごろに入学手続き資料送付、3月8日が入学手続き期限です。

 合格辞退の場合は合格通知に同封される辞退届を提出すれば辞退できます。

 

 九大の単位認定なんですが、入学時に認められる認定単位は 一般教養科目48単位(一括自動認定)+専門基本科目内で認定される単位(上限20単位) で、合計48-68単位です。基本科目の認定は入学手続き内で申請した上で認定を申請する科目のシラバスと在籍大学での該当科目のシラバスや教科書などを基に面接で検討し、教授会で決定されます。僕の場合は多分12-16単位だと思います。過去に認められた単位の例をまとめた資料が送付されていたのでそれに記載されていた自分の大学の単位例を見た上での判断なので12より少なくはならないはずです。ちょっと卒業がしんどい、、、。

 基本科目に関しては経済学部のHPで公開されています。

 

おまけ

 受験の帰り、放生会(ほうじょうえ、またはほうじょうや)なる祭りがやっていたのと、官幣大社のおみくじと御朱印を集めていることもあって箱崎キャンパスから徒歩20分くらいのところにある神社・筥崎宮に行きました。で、おみくじ引くじゃないですか、そしたらこれ。

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学問:今回は成績面白からず努力せよ

 

いや、タイミング考えろよ神。

 

以上。